こんにちは!
今回の記事を書いていて大学5年次の薬局実習にとても懐かしさを感じた現役薬剤師のたくみです♪
病院で丸6年勤務ののち、現在は保険調剤薬局で働いています。
このブログではそんな現役薬剤師たくみが薬学生や薬学部を目指す中高生に向けて有益な情報を発信しています!
「たくみってどんな薬剤師なの?」と気になる方はぜひこちらの詳しいプロフィールを覗いてみて下さいね♪
それでは、内容に入っていきましょう!
いよいよ薬局の実務実習が始まっちゃうにゃ…
5年生の実務実習は緊張するよね!
患者さんの対応はうまくできそうかな?
全く自信がないにゃ!どうしたらいいにゃ!?
実際に薬局の現場で遭遇するケースでしっかりと
対応を勉強してみようか!
薬学部5年生になるといよいよ始まる薬局実務実習。
実務実習とはいえ薬局の現場で実際に働くわけですから患者さん対応に不安を抱えるのも無理はありません。
実習を眼の前に心配になっている薬学部生も多いと思いますから、今回は実際に薬局の現場でよく起こるケースを例に挙げて、具体的な対応方法を説明していきたいと思います!
【実例】こんな患者さんにはどう対応する?
実際に薬局でよく起こるケースを例に挙げて対応やオススメの質問を紹介していきます!
今回挙げているケースは薬剤師になると日常的に遭遇しますので、
実務実習期間中にしっかりと対応できるようにしておきましょう!
ケース1 一包化などで待ち時間が長くかかると想定される患者さんへの対応
薬局や病院の外来服薬指導でよくある患者さんへの対応例の1つ目として、
「一包化(いっぽうか)や散剤(粉薬)、水剤(シロップ剤)を調製するのに時間がかかると想定される場合」
を挙げてみます。
筆者が実習中にやってしまった失敗例
とある70代の男性患者さんの一包化調剤をしていた時のことです。
その患者さんには10種類ほどの薬が処方されており、それらをすべて一包化しなければなりませんでした。
毎食後と寝る前の一包化調剤で処方日数は90日分と、出来上がるまでにかなり時間がかかりそうです。
最初に患者さんから処方せんを受け取った時点で「かなり時間がかかりそうだな」
とは思ったものの、まだ経験が浅かった筆者はどれくらいの時間がかかりそうなのかまでは予想できませんでした。
そして、
「ちょっと時間がかかりそうです。」
とだけその患者さんに伝えたのですが、その日の薬局の混み具合もあって結局は1時間近くもお待たせしてしまいました。
幸いにも、この患者さんはとても優しい方だったのでクレームに発展することはありませんでしたが、長い間お待たせしてしまったので申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
お待ちいただいている間もその都度、
あとどれくらい時間がかかりそうか伝えるべきだった
と反省しました^^;
どのように対応すべきか?
一包化であれば、薬の種類が多かったり、薬の錠剤を半分に分割しなければならなかったりして、作成するまでにかなり時間がかかってしまうケースがあります。
こういったケースでは一包化指示のある処方せんを患者さんから預かり、薬の内容を確認した後で、患者さんにあらかじめ調剤完了までに時間がかかることをお伝えしておきましょう!
調剤が完了するまでに具体的にどのくらいの時間がかかりそうかを指導薬剤師に確認した上で、患者さんにお伝えするのがベストです。
患者さんは自分の薬がなかなか出てこないと、
「なんでこんなに時間がかかっているのだろう」
と心配になってしまいます。
そういった不安を取り除いて上げるのも薬剤師の大切な役割のひとつです。
また、このときのポイントは「具体的な時間を数値でお伝えすること」です。
「お薬ができるまでに少し時間がかかります」とお伝えするよりも、
「お薬ができるまでにだいたい15分ほどお時間をいただきます」
と伝えたほうが、患者さんから納得してもらいやすいですね!
具体的に「〇〇分かかります」とお伝えしたほうが、患者さんも安心して待ってくれますよ!
また、「半分に割るに時間がかかるため」、「日数が多いため」など時間がかかる理由についてもお伝えできるとより患者さんの理解を得られやすいです。
準備ができるまでにどれくらい時間がかかるのかが前もって分かれば、
その間に家に帰ったり買い物を済ませたりもできるにゃね!
ケース1のおすすめの質問を紹介!!
それでは、今回のケースを例としたおすすめの質問をご紹介します!
- これからお薬の一包化をしますので、だいたい30分ほどお時間をいただきますがよろしいでしょうか?
- 今回は3種類のシロップが処方されています。お薬を混合するのに10分ほどかかってしまいますが、お時間は大丈夫でしょうか?
ケース2 処方されている薬の種類が多いために服用忘れが目立つ患者さんへの対応
薬局や病院の外来服薬指導でよくある患者さんへの対応例の2つ目として、
「処方されている薬の種類が多いために服用忘れが目立つ患者さんへの対応」
を挙げてみます。
「降圧剤」、「コレステロールを下げる薬」、「尿酸値を下げる薬」、「胃薬」など
たくさんの種類の薬が処方されている患者さんのなかには、服用忘れにより薬が余りがちになってしまう方も実際多くいます。
このような状態を薬学的観点から
「服薬コンプライアンスが悪い」と表現しますよ!
こういった患者さんには、少しでも薬の飲み忘れを減らせるように薬剤師として適切にアドバイスをしなければなりません。
筆者が実習中にやってしまった失敗例
とある40代男性の患者さんの話です。
その患者さんは工場で勤務しており、たびたび夜勤もあったりと勤務時間も不規則でした。
糖尿病と心疾患で通院されていて血糖降下薬や降圧薬、抗凝固薬など8種類ほどの
薬が処方されていました。
服薬指導では「だいたい飲めているし問題ないよ」とお話があったものの、
検査結果の血糖値や血圧の数値がなかなか思うように改善していないようでした。
別の機会に改めて服薬状況を確認したところ、
「勤務が不規則で食事の時間がバラバラになってしまい薬を飲み忘れてしまう。」
と話してくれました。
もっと早いうちに薬がしっかりと飲めていないと分かっていれば、
この患者さんの血圧や血糖のコントロールが良くなっていたのではないかと反省しました。
どのように対応すべきか?
具体的なアドバイスとしては、
- 生活リズム(食事の時間や就寝時間)を確認して、飲みやすい時間帯を提案する
- お薬カレンダー(お薬を整理するカレンダーツール)を試してみるよう提案する
- 一包化希望の有無を確認する
などが挙げられます。
失敗談の例のように「仕事柄、食事の時間が不規則になってしまい薬の服用を忘れてしまう患者さん」では、まず仕事の日の食事回数や食事を摂る時間を確認してみて下さい。
そもそも食事は1日3回摂っているのか、3食摂れていないとすれば1日何回で、時間帯はいつなのかという具合ですね!
例えば「夜勤の仕事があって夕食は早めに食べるから、昼食はあまり摂らないために昼分の薬を忘れてしまう」ことが判明したとします。
その場合、
「この薬は食事の影響を受けない薬なので、もし昼食を摂らなくても昼分の薬は飲んでも
大丈夫です」
とアドバイスするだけで、服用忘れがなくなるケースもあります。
こういったケースは実際にかなり多いですから、ぜひ参考にしてみて下さい!
それでも難しい場合には「お薬カレンダー」や「一包化」の
希望を確認してみることも考慮してみて下さいね!
ケース2のおすすめの質問を紹介!!
それでは、今回のケースを例としたおすすめの質問をご紹介します!
- 特に飲み忘れやすい時間はありますか?
- 1日3回食事は摂れていますか?いつも何時頃に食事を摂っていますか?
- 普段の就寝時間はだいたい何時頃ですか?
(就寝前の薬の飲み忘れが多いケースで) - お薬をパックにまとめてみるのはいかがでしょうか?
- お薬カレンダーはご存知ですか?一度試してみてはいかがですか?
まとめ
それでは今回のまとめになります!
それでは最後までお読みいただいてありがとうございました!